導入事例

筑波大学附属病院様(2)

専用機器を使う高品質なテレビ会議システムに、スマートフォンやパソコンから参加
将来の在宅ケアや遠隔医療にも役立つインフラとして整備

業種 教育、医療 設置拠点 茨城県全病院・診療所 (近い将来、拡大を予定)
用途 ・茨城県内病院をつないだカンファレンスやトレーニング
・茨城県内に点在する医療関係者の遠隔地からのカンファレンス参加

「医療現場での実務経験」と「最先端医療の継続的な学習」の両立を実現する遠隔教育システム

「地域医療教育」を重視する筑波大学附属病院は、2011年にテレビ会議を用いた遠隔教育システムを整備し、医療に関するカンファレンスや最先端医療の技術習得のトレーニングに活用してきた。そのため筑波大学附属病院のほか、附属病院水戸地域医療教育センター(水戸協同病院)、附属病院茨城県地域臨床教育センター(茨城県立中央病院)に高品質なテレビ会議システムを設置、相互接続している。
 2014 年にはシステムを拡張し、一般的なモバイル端末からの接続にも対応させた。既存のシステムに、一般的なスマートフォン、タブレット、パソコンなどから参加できるようにしたのである。一連のプロジェクトを推進してきた医学医療系 地域医療教育学 前野教授は、遠隔教育に注力している理由を次のように語った。
「研修医は、緊急性の高い患者を治療する急性期病院(救急指定病院)から小さな診療所まで、さまざまな医療現場を回りながら、スキルを身につけていきます。地域で患者とじかに接する場であるフィールド(現場)は、地域医療教育を推進するための最適な場でもあります。しかしフィールドを重視すると、継続的な教育が難しくなるのも事実。それを補うために導入したのがテレビ会議システムです。これを使えば教育に最適のフィールドにいながら、カンファレンスやトレーニングに参加できます。つまり地域医療教育と最先端医療習得の両立が可能になるのです。そして新たに一般的なスマートフォンやパソコンからも利用できるようにしました。これでテレビ会議システムを設置していない拠点からも、カンファレンスやトレーニングに参加できるようになります。 また映像は自動録画できるので、リアルタイムで参加できなくても後で録画を見ることができます。当直や家庭の用事があっても、情報に遅れる心配がありません」

専用機器を使う高品質なテレビ会議システムに、スマートフォンやパソコンから参加

先に構築したシステムでは、ポリコム社のテレビ会議専用の機材を導入した。大人数が集まれる会議室には2 つのスクリーンを併設し、互いの部屋を映したり資料・動画を共有したりして、カンファレンスやトレーニングを行っている。 今回、新たに導入したのは、スマートフォンやパソコンを使ってWeb 会議を行なうVidyo 社のアプライアンスで、既存のポリコムのシステムに対しゲートウェイを経由してアクセスできる。3G回線でも音声の遅延は感じられない。何より回線が込み合っても接続が途切れないようにする調整機能が優れていた。そして一般的なモバイル端末から使える分、導入に関するハードルが低い。 導入や運用管理を担当している讃岐研究員は、Vidyo 選定理由として3 つの項目を挙げた。「1つ目はポリコムと連携できること。2 つ目は、医療業界での実績を持つソフトであること。3つ目は拡張性。料金はシンプルで、端末ライセンスとサーバーへの同時接続数分のライセンスを購入するのみ。将来ユーザが増えても同時接続数を増やすだけで対応できます」
他の医療機関との窓口、交渉役を担っている鈴木准教授は、導入ハードルの低さから利用の広がりを期待している。
「テレビ会議システムの有用性はどの病院も理解してくれています。ただ相互に回線を接続するとなると条件が厳しくなります。そもそも患者の症例など個人データは機密レベルが高く、病院間で共有するには新たなルール作りが必要になります。しかしルールや操作マニュアルなどを整備することで、利便性の向上が見込めると考えています」

将来の在宅ケアや遠隔医療にも役立つインフラとして整備

Vidyo を導入したことで、活用法も広がった。ポリコムは基幹病院を相互接続するシーンに使っている。各拠点に大人数が集まってレスポンスよく進める議論に適しているし、会議室内で参加者を制限することでセキュリティが確保される利点があるからだ。一方インターネット接続環境にあれば利用できるVidyo は、ポリコムが設置されていない拠点にいる者にも参加してほしいカンファレンスなどで使う。
「茨城県は東西南北に広く、附属病院関係者(教員、研修医、院外研修中の学生や指導医)が点在しています。これまでそういう人の利用は難しい状況でした。しかしVidyo を導入したことで、今までより多くの人が気軽に参加できます。
問題は患者のカルテを扱いたい場合ですが、個人情報を削除した資料を準備するなどの運用で対処していきたいと思っています」(前野教授)
またポリコムならではの機能として2 スクリーンの活用があるが、Vidyoでも擬似的に2スクリーンの活用が可能である。そのメリットが理解されれば、いずれポリコム設置拠点の増加にもつながるだろう。
運用面でも負担が減った。ポリコムを使う際は毎回讃岐研究員が立ち会っていた。だが診療が終わった夜からの利用が多く、讃岐研究員への負担が重くなっていた。しかし予約システムの利用によってVidyoとポリコムが連携できるため、事前に設定を済ませておけば立ち会う必要がなくなった。今はカンファレンスの時間になれば、参加者がスマートフォンやパソコンでVidyoのソフトを立ちあげ、インターネット上の会議室にアクセスするだけで利用できる。またポリコムが設置されていない場所でカンファレンスを開く場合でも、Vidyoだけで手軽に実現できる。
「今はテレビ会議システムを、地域医療教育のためのインフラとして整備しています。しかし将来は、在宅ケアや遠隔医療も現実味を帯びてくるでしょう。このシステムはそのときにも役立つはずです」と前野教授は、医療の未来におけるテレビ会議システムへの期待を語った。

  • 筑波大学 医学医療系 地域医療教育学
    附属病院 総合臨床教育センター・総合診療科
    教授
    前野 哲博 氏

  • 筑波大学 医学群医学教育企画評価室
    筑波大学附属病院 光学医療診療部
    准教授
    鈴木 英雄 氏

  • 筑波大学 医学医療系
    附属病院 総合臨床教育センター
    研究員
    讃岐 勝 氏

筑波大学附属病院
1976 年10月に開院した筑波大学附属病院。社会・地域と連携して多種多様な手法を用いて地域医療の再生プランに取り組んでいる。2014 年4月現在、附属病院のサテライトセンター・ステーションを茨城県内に9 拠点設置し、大学病院が積極的に地域と連携し地域医療に貢献している。

ニーズに合わせて最適な製品、ソリューションを選定、提供

システム販売事業部 首都圏営業部  篠澤 琴美

テレビ会議システムの導入目的、使用する環境は、お客様によって千差万別です。映像センターでは、お客様の目的や環境に最適なシステムを提案できるように、たえず業界の最新情報をキャッチしています。また構築後に活用法が広がることもよくあること。そこで可能な限り拡張できるような柔軟なシステムを心掛けています。筑波大学附属病院様の案件でも、当初から茨城県内のさまざまな場所から利用したいという要望を伺っていたこともあり、Vidyo のお話が具体的に上がったときにタイミングよく導入することができました。