導入事例

筑波大学様

海外の大学と接続した日常的な遠隔授業を実施。
院生同士のプレゼンテーション&ディスカッションによって英語を使ったコミュニケーション能力が向上

業種 教育 設置拠点 3 拠点
用途 ・海外を含む大学を接続し、英語による遠隔授業、ディスカッション

テレビ会議システムを用いた日常的な国際化授業で高まるディスカッション能力

「国際性の日常化」を標榜する筑波大学では、多くの海外の大学機関と交流協定を結び、共同研究や 国際化授業など、グローバル化に向けた取り組みを進めている。

その一環として4 年前から始めた科目が、フロンティア医科学専攻、生命システム医学専攻、ヒューマンバイオロジー学位プログラムの3つの専攻の大学院生を対象とした海外と の遠隔授業「ロングディスタンスコースレクチャー」だ。これは海外の大学と筑波大学をテレビ会議システムで結び、あたかも同じ教室で受けているような感覚 で参加する授業である。現在は、台湾にある国立台湾大学と京都大学の3 拠点をつないで行っている。

ロングディスタンスコースレクチャーは、教員による講義のあと、院生によるプレゼンテーションを行い、質疑応答を受けるという 流れで進められる。プレゼンテーションは大学ごとに担当し、課題の論文を読み込んだうえで発表し、他の大学からの質問を受け付ける。授業内で使える言語は 英語だけだ。

担当している入江教授と大庭助教は、この授業の意義を次のように感じている。

「英語でプレゼンテーションを聞き、疑問点を見つけ、質問することは、容易ではありません。しかし、海外の院生との英語による ディスカッションを通して、受験勉強的な知識習得型の勉強とは異なる、実践的な力が身につけられます。最近はディスカッションがあまりにも活発になってき て、質疑応答に割く時間を増やしたくらいです」(入江教授)

「毎週受講することで海外との交流を日常的に継続できます。また自分の考えを誤解なく伝える技術も身につきます。担当している私から見ても、英語で考えを伝え質問に答える体験を繰り返すことで、人に伝える力、理解力が確実に深まっていることを感じています」(大庭助教)

活発なディスカッションのために教室の配置や設備を工夫

海外との遠隔授業では、特にディスカッションを重視している。そのため教室や機器にいろいろな工夫がされていた。

例えば通常の授業では教室を縦に長く使うことが多いが、この授業では横に広く使っている。そして教壇の後ろにプロジェクターを映すスクリーン、その両サイドに大型テレビを設置している。遠隔授業が始まると、中央のスクリーンに資料、両サイドには他の教室の様子を映す。

音声については、ハウリングを防止し、発言しやすくするため、ハンドマイクを多数用意した。

「教室の構成は、全員がモニターに近い位置に座り、ディスカッションしやすい環境になるようにと決めました」(入江教授) 実 は、このシステムが導入されたのは、2 年前。科目が始まった4 年前は、パソコン用のインターネットテレビ電話を活用していた。パソコンの小さなマイクに話していたため、ディスカッションしにくいと感じていたという。 またトラブルも頻繁に起こって、相手と接続できないときは院生を待たせるしかなかった。

2 年目に医学群(学部)にあったテレビ会議システムを利用したところ使い勝手がよく、「大学院が優先的に活用できる設備を持ちたい」との考えから導入が決まった。このような段階を経て、遠隔授業に最適な構成を考え抜いた結果、現在のシステムが構築されたわけだ。

このテレビ会議システムを構築したのが映像センターである。その際、入江教授が映像センターに要望したのが「誰でも簡単に使える仕組み」だった。IT 技術者に頼らなくても、教員やティーチングアシスタントだけで授業が進められる簡便さが必要だと考えたからだ。

操作を簡単にするタッチパネルリモコンを採用したのもそれが理由だ。ここから機器のON/OFF のほか、映像の切り替えなどの操作ができる。他にも授業の間は映像センターのスタッフがリモート保守でサポートしている。

 

海外とも対等に議論する様子に、院生たちの成長を実感

テレビ会議システムが導入されて、授業の進めやすさ、ディスカッションしやすさが格段に向上した。

「授業では、ポインターなどを用いて資料を示します。映像が鮮明なテレビ会議システムでは、別の教室にいても指示したポイントが はっきりとわかります。以前のインターネットテレビ電話は不鮮明で、ポインターが映らなかったのです。この違いは理解しやすさの面から非常に重要でした」 (大庭助教)「テレビ会議システムにアップロードした資料は共有されます。それを使って授業の前に予習ができるようになりました。英語がまだ不慣れな院生 には、しっかり予習できるので理解の助けになります」(入江教授) 授業が始まったころは、日本人のシャイな国民性もあって、海外の院生の積極性に圧倒さ れていたが、次第に同等に質問できるようになっているという。今では、質問が次から次へと続き、ディスカッションが途切れなくなった。

授業に参加する院生からの評価も高い。
「日本にいながら海外の人たちと話し合えるのは新鮮。今までにない授業です」
「世 界の学生と一緒に学べるのはモチベーションが高まります」「台湾大学の人たちは積極的。最初は、私たちももっと発言しなくてはと痛感しました。今では自分 の成長を実感しています」「国際学会に出たときに、この雰囲気はいつも受けている授業と同じだと感じました」 院生たちの成長は、教員にも伝わっている。

「教員との話し合いだけでなく、院生同士のディスカッションが重要。特にひとつの論文を、他人に説明できるほど読み込むのは難しい こと。どんなに準備して発表に臨んでも意外な質問を受けます。すると次の機会には、もっと深く読み込もうと、思考を掘り下げるようになります」(入江教 授) テレビ会議システムによる遠隔授業は、確実に院生の国際化、ディスカッション能力や学習意欲の向上に貢献していた。同大学では今後も交流する海外の 大学を増やし、テレビ会議システムによる遠隔授業を推進していく考えを持っている。

  • 筑波大学医学医療系
    教授
    入江 賢児 氏

  • 筑波大学医学医療系
    助教
    大庭 良介 氏

筑波大学大学院人間総合科学研究科医学系
専攻/ヒューマンバイオロジー学位プログラム
1973 年に設置された国立大学。人間総合科学研究科フロンティア医科学専攻(修士課程)では、医科学の包括的基盤教育とともに、社会的ニーズに対応した実践的で幅広い教育・研究を行い、研究者・教育者あるいは高度専門職業人として、安心で健康な社会の実現と維持のために活躍する人材を育成している。生命システム医学専攻(博士課程)では、ヒトの生命科学の理解を基盤として、医学研究を推進することで人類の未来に貢献する人材を育成している。
5年一貫教育の博士課程「ヒューマンバイオロジー学位プログラム」では、生命科学,医学,計算科学,物質科学を横断した複合的方法論を駆使して,ヒトの生命の維持,適応,継承のメカニズムを理解し,これらに関する研究力,専門力を修得した上で,ヒトが人らしく生きる社会の創造を先導できる国際的トップリーダーを養成している。

授業に支障がないよう、サポートスタッフが待機

システム販売事業部 首都圏営業部 篠澤 琴美

筑波大学様にとっては、遠隔授業を円滑に進めることが最大の目的です。当社では、テレビ会議システムを使って支障なく授業が進められる安心を提供することが仕事と考えました。そこで授業が行われている時間帯は、サポートスタッフを待機させ、操作する方が迷ったときやトラブルが発生したときに、すぐにリモートで支援できる体制を整えています。