導入事例

横浜国立大学 様

世界に通用するグローバルな人材の輩出を。
海外とのテレビ会議接続と、 英語コンテンツ配信システムの活用で、理系に求められる英語能力を習得

業種 教育
用途 ● 海外の大学とのテレビ会議を通じて、
英語コミュニケーション能力を養成するためのグローバルスタジオ
● 実験を通して生きた英語を習得するためのグローバル実験室

実践的な英語コミュニケーションスキルを身に付けた学生を
グローバルな世界に送り出す


幕末、開国の地となり、今なお異国情緒が感じられる横浜。そこに拠点を置く横浜国立大学では、次世代を担う人材育成を掲げ、グローバル人材の輩出に力を入れている。その一環として、すべて英語で授業を行う「グローバルPlus ONE」や、海外大学との間で互いの学位を取得できる「ダブル・ディグリー(共同学位)制度」などを実践している。そしてさらに教育研究活動のグローバル化を推進するため、2014 年には2 つの教室、「グローバルスタジオ」(EST-1)と「グローバル実験室」(EST-3)を作った。EST-1は、90 インチの大画面モニターを2 面並べたテレビ会議システムを用い、海外の大学と英語でコミュニケーションを取ることを目的に導入したものだ。EST-3 は、物理や化学の実験を通して生きた英語に触れるための実験室だ。各テーブルに設置されたタブレットには、英語による実験解説コンテンツが表示され、学生はそれを視聴しながら実験に取り組む。両教室の導入を担当した濱上教授と梅原教授は、「学生たちはいずれグローバルな場で活躍します。そのために、生きた英語を習得させたいのです。研究の場、学会などで使う英語は、理系特有の専門用語、言い回しがあります。それらを身につけないとグローバルな環境でコミュニケーションが取れません」と語る。

臨場感のあるテレビ会議システムで、
海外の大学とコミュニケーション能力を鍛える

英語コミュニケーション能力を養うEST-1担当の濱上教授は、「この教室は臨場感を重視して
設計しました。ただ海外とテレビ会議で会話するだけなら通常のパソコンでも実現可能ですが、あたかも遠隔拠点の相手が目の前にいるような臨場感を作りだすための工夫が、映像、音声、室内設計に施されています」と評価した。ユニークなのは長方形の教室の長辺側にモニターを置いたことだ。「一番後ろの席であってもモニターに近いため、画面の向こうの相手の表情もよくわかります」(濱上教授)相手側の言葉を聞きやすくするため、音響にも力を入れた。部屋の壁はもともとコンクリートの打放しだったため、反響が大きくテレビ会議には適さなかった。そこで壁と天井に吸音器具を、マイクロフォンシステムにはエコーやハウリングを防止するためのエコーキャンセラー装置を取り付けた。
 もうひとつの工夫は、授業に特化したタッチパネル式操作画面である。「機器操作が複雑になると教員の手間が掛かる懸念がありました。そこで映像センターに、授業で必要な機能だけに絞って、迷わず操作できるような操作画面を、新たに設計してもらいました」(濱上教授)現在ブラジルのサンパウロ大学、韓国の昌原大学校と接続されているが、「EST-1でのテレビ会議はFace to Faceで向かい合っている感覚がある」と濱上教授も満足している。

実験を通して理系の学生に求められる
実践的な英語能力を習得する

 EST-3 では、タブレットに映し出された英語による実験解説コンテンツを視聴しながら、物理や化学の実験を行う。実験手順などを示した動画はコンテンツ配信システムから送られるが、各タブレットでは自由に一時停止や巻き戻しができ、学生が自分のペースで実験を進められる仕組みになっている。担当した梅原教授はEST-3 のコンセプトについて、「英語は座学でも習得できます。しかし手を動かしながらネイティブな英語に触れることも、理系の学生には必要でしょう。グローバル実験室のシステムによって、実践的な英語が身に付くと期待しています」と語った。EST-3 の設計で留意したのは、タブレットが作業の邪魔にならないことだった。そこでタブレットをデスクマウントアームに取り付けて、学生が実験に専念できるように位置を動かせる仕組みを作った。英語の音声もワイヤレスイヤホンを使うことで、隣のテーブルと干渉しないようにしている。
「従来の実験では、教員とティーチングアシスタント(TA)が学生を指導していました。しかしTA は日本人なので、英語が身に付くわけではありません。そこでTA の代わりにタブレットを用い、英語による解説コンテンツを流せば、生きた英語を習得する場に変わります」(梅原教授)

海外カンファレンスや留学生の受け入れにも
活用。いずれは横浜から世界へ情報発信も

 EST-1は、海外と接続する授業の事前準備として教員同士のミーティングにも活用できる海外のカンファレンスにも参加可能だ。また、将来的には留学生の入試にも利用する考えも持っている。「これまでは海外からの受験生は渡日して面接試験を受けてもらっていましたがEST-1なら海外にいながら面接ができます。臨場感も高いので、受験生の真剣さも評価できるでしょう」(濱上教授)EST-3 は今のところ、英語のコンテンツを充実させている段階で、本格稼働は来年度を予定している。「いずれは実験解説コンテンツを充実させて、当学から情報を発信していきたいと考えています」(梅原教授)コミュニケーション重視のEST-1、実践重視のEST-3 と「生きた英語習得のための2 つの柱」ができあがったと両教授は、2 つの教室に
大きな期待を寄せている。

  • 横浜国立大学
    大学院工学研究院 教授
    博士(工学)
    濱上 知樹 氏

  • 横浜国立大学
    大学院工学研究院 教授
    博士(工学)
    梅原 出 氏

横浜国立大学
http://www.ynu.ac.jp/

「実践性」、「先進性」、「開放性」、「国際性」を建学の精神として掲げている横浜国立大学。21世紀に入り、新たに「グローバルな学術」の隆盛をめざし、地球社会の持続的進化のための新たなパラダイム「Global Arts& Sciences」をスローガンとして提案し、グローバルな人材育成、創造的な人材育成に取り組んでいる。

不安定な海外との接続でも、蓄積したノウハウで実現

システム販売事業部 首都圏営業部 下釡 唯

EST-1については、2 画面の大型モニターに関してさまざまなご提案をした上で納品いたしました。
当初は40 インチを8 枚組み合わせるプランでしたが、ベゼルで画像が分断されることによる臨場
感への影響などを考慮し、最終的に90 インチを2 面並べる構成になりました。
EST-3 については、梅原教授のご希望は、既存製品を組み合わせただけでは実現できないと考え、
弊社でもさまざまな試行錯誤を繰り返しつつ、構築しました。教授には「漠然とした要望を伝えたら、
すべて実現してもらった」と大変喜んでいただきました。